ライアー(Leier)とは竪琴全般を意味するドイツ語です。英語では "lyre” になります。
竪琴という楽器自体は古代より伝わるものですが、このライアーは、20世紀に入ってから、ドイツのシュタイナー教育のなかで考案されたものです。
共鳴する胴体をもち、弦はピアノと同じように半音階で張ってあります。その弦を指でひとつひとつの音をなでるように弾くことによって、ふりそそぐようなやさしい音を奏でていきます。
日本では、映画「千と千尋の神隠し」のエンディングテーマ「いつも何度でも」において、木村弓さんがこのライアーで弾き語りをされており、広く知られるようになりました。
みみを澄まして、音に意識を向けて・・・
ライアーのしずかな、そしてやさしい音は、こころの深いところに響きわたります。 みみを澄まして、ささやかな音に意識を向けて・・・そしてなにかを想う・・・
大きな音、ちから強い音は奏でることができないのですが、竪琴のちいさな音が共鳴してつくられる世界は、ゆったりとこころの中で拡がっていきます。
まわりの空気にとけこんでしまう響き・・・
例えば、なにかのはなしをしているとき、後ろでライアーの音がなっていても、その音は、決して話をさえぎるようなことにはなりません。むしろ、その空間を彩り、つつみこむような感じで響きわたり、 聞き手、話し手の心をゆるやかにすると思います。
みなさまも、そんなライアーの音に、ぜひみみをかたむけてみてください。